2017年08月04日

影もないままに

影もないままに
ケプラーがコソトロール・パネルのそばにひざまずき、スイッチのひとつを押した。船殻が半透明になった。あらゆる方向から洞穴内の光が入ってきて、うすぼんやりと船内を照らしだした。ケプラーは、計器や乗員の混乱を防ぐため、球形の船殻の内側に内部の光が反射しないよう、船内の照明を最低限にしぼっているのだと説明した收細毛孔
ほぼ完壁な球に近い船殻の内部は、土星の模型を連想させた。〝環〟にあたるのが、広いデッキ。〝惑星〟そのものは、デッキの上下に半球に別れてつきだしたドームというところだ。いまはジェイコプにも、上部の半球の表面に、いくつかのハッチとキャビネットがあるのが見てとれた。事前に読んだ資料から、彼はこの中央球に、船の航行を司る、すべての機構か収められていることを知っていた。時間流制御装置や、重力場|発生装置《ジェネレーター》、冷却レーザーなどは、みなこのなかに収められているのだ。
ジェイコプはデッキの縁まで歩いていった。デッキ自体は力場の上に浮いており、その端は湾曲した船殻から四、五フィート離れている。その上へ、奇妙に明るい部分も陰 船殻が頭上高くカーブしていた。
名前を呼ばれて、ジェイコブはふりかえった。見学会の参加者たちが、中央ドームに入るドアのそばに立っている。ケプラーが手招きした鍛練肌肉
「これから、計器を収めた下側のデッキを見にいきます。わたしたちは〝裏デッキ〟と呼んでいますがね。足もとに注意していてください、重力アーチになっていますが、あまり驚かれないように」
戸口の前で、ジェイコプは脇により、ファギンを先に通そうとしたが、ETは上部半球に残っていたほうがいいという身振りをした。身長七フィートのカンテンが高さ七フィートのハッチをくぐるのは、あまり楽なことではないのだろう。ジェイコプはケプラーにつづいて、球内に入った。
とたんに、そこからとびだしそうになった! ケプラーはすぐ前にいたものの、両面を隔壁ではさまれた丘のような、急に盛りあがった斜面の上を、床に対して垂直に立ったまま登っていくではないか! ジェイコブの位置からは、ケプラーが大きく傾いで立っており、いまにも倒れてきそうに見える。いったいこの科学者は、どうやってバランスを保っているのだろう懷孕前準備
やがてケプラーは、盛りあが



Posted by jamely at 15:25│Comments(0)
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