2016年09月21日

かに興味深いもので

かに興味深いもので
「それにレディ?ポルガラも賛成なさらないでしょう」反対する自分の声音が弱くなっているのに気づきながらも、アリアナは主張した。
「レディ?ポルガラは魔術師のベルディンと打ち合わせ中よ」アダーラの目がいたずらっぽく踊った。
 セ?ネドラはわざとらしいほほ笑みを浮かべた。「それなら決めるのはわたしたちよね」
「戻ってきたときにきっと叱られますわ」アリアナは言った。
「そしてわたしたちは深く反省すればいいのよ」セ?ネドラはクスクス笑った。
 十五分ほどして、黒い柔らかい革製のアルガーの乗馬服を着た王女と二人の友人は、馬に乗り、大要塞の中央門から外に出た。彼女たちには、〈リヴァの番人〉の末っ子オルバンが随行した。オルバンはこの計画に賛成しなかったが、セ?ネドラは反対する時間も、彼女の計画をつぶしそうな人物にうかがいをたてる暇も与えなかった。オルバンは不満げだったが、結局いつものように黙々と小さなリヴァの女王の後に従った。
 外壁の前に据られた、杭で補強された塹壕はたしはあったが、どれもこれもみな同じように見えた。それにいくら見事なできばえとはいえ、穴掘りだけでは娘たちの興味を惹けるものではなかった。
「すごいわね」セ?ネドラは、土盛りの上で見張りをしているドラスニアの槍兵に向かって言った。「素晴らしい塹壕だわ。鋭い杭も役だちそうね」彼女は要塞の前に広がる荒れ地に目をやった。「どこからこんな見事な杭を見つけてきたの」
「センダー人たちが運んできたのでございます。女王さま」かれは答えた。「たぶん、北のあたりだと思います。タール人が木を切り、尖らせております。きちんとした指示さえ与えれば、なかなか器用な連中です」
「馬に乗った巡視隊が三十分くらい前にここを通らなかったかしら」彼女は訊いた。
「はい、女王さま。アルガリアのヘター卿と部下の方々です。あちらの方に向かわれました」見張りは南を指さした。



Posted by jamely at 11:14│Comments(0)
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